『邪神ちゃんドロップキック』コラボの球磨焼酎発売記念!製造元の恒松酒造本店へのインタビュー

culcolle(かるこれ酒店)にて2024年3月19日(火)に発売される『邪神ちゃんドロップキック』コラボの球磨焼酎(くましょうちゅう)


オリジナルの邪神ちゃんデザインのラベルや箱・ボトルキーパー付が話題の限定商品ですが、肝心の中身の焼酎も伝統あふれる蔵元で造られたこだわりの逸品なのです。


製造元・株式会社恒松酒造本店の5代目で代表取締役の恒松良孝(つねまつ よしたか)さんに、特別インタビューが叶いました!

 

恒松酒造本店ならではの特徴|歴史と伝統だけでなく

―写真で蔵や周囲を拝見しましたが、自然が豊かでとても良さそうな場所ですね。実際に蔵にお邪魔させていただいたスタッフも絶賛していました!

 

はい。熊本県の球磨郡多良木町(くまぐん たらぎまち)という、九州南端の地域にあります。鶴が飛来していたことから「鶴羽(ツルバ)」(鶴が羽を休めた場所)という地名が残っているんですよ。



―わぁ、とってもステキな名前ですね。なんでも、駅名になっているとか……?

 

はい、くま川鉄道に「新鶴羽駅」という駅があります。

実はうちでは同じ名前の米焼酎も作っているんですが、そっちは濁らず「鶴羽(ツルハ)」という名前にしていまして。

 

―地名を元に名づけられた焼酎って、すごく良いですね。

 

球磨地方には27もの蔵元が存在しているそうですが、恒松酒造さんならではの特徴を教えてください!

 

そうですね……まず大正6年(1917年)創業で、既に創業から100年以上経っているという事実があります。歴史と伝統を大事にしつつも日々研究心を忘れず、美味しい焼酎を求め続けています。

 

それと、先ほどの話にあった「自然豊かな周囲の風景」ですが、これは自社所有の田園でして。

 

―えっ、そうなんですか⁈

 

実はそうなんですよ。農業法人として水田を持っており、令和4年(2022年)からは遊休地を利用した芋の栽培も行っています。自社で焼酎の原材料を生産している蔵は、おそらくほとんど無いと思いますね。

 

―それは大きな特徴ですよね。

 

はい。濾過せずそのままの味を大切にしていることと、球磨の地下天然水を使用していることも、誇れる特徴ですね。

 

焼酎造りの中で「水」には特に神経を使う必要がありまして、純粋で癖の無い地下水が焼酎造りには最適なんです。地下100メートルから湧き上がる豊かな水系を得られるのは、非常にありがたい環境だと思っています。

 

この「水の美味しさ」には、私もUターンしてみて初めて気が付きましたね。

 

―そうなんですね! 恒松さんは5代目ということですが、跡を継ぐ前に他のお仕事もされていたんですか?

 

はい。私は大学の醸造学科で学び、修行のためにサラリーマン(食品メーカー・食品の卸業)を経て、2007年にUターンして跡継ぎになったんですよ。

 

会社員時代に、チェックする工程などを通じて「最終商品として間違いないものを出す」と学んだことは、今にも活きていると感じています。



SDGsや多品種開発など、新しいことへのチャレンジも

―恒松酒造本店さんはチャレンジングで新しい取り組みを実践中とお聞きしています!プレミアム焼酎やリキュールなど、様々な味わいの開発をされているとか。

 

確かにそうですね。米焼酎・芋焼酎・麦焼酎だけでなく、プレミアム焼酎・梅酒・レモンチューハイ(サワー)専用焼酎など、幅広い種類のお酒を製造しています。




また、SDGs(持続可能な開発目標)関連では……地域の環境保護のため、焼酎粕(しょうちゅうかす)のリサイクルに取り組んでいます。

 

―具体的にはどのような方法なんでしょうか?

 

弊社の焼酎の醸造工程では、年間500〜700トンもの焼酎粕の廃液が発生します。アルコール分解を経た芋・麦・米などの有機物と90%以上の水分を含んだ液で、製品の同等量が排出されることになります。

 

以前は処理業者に依頼・処分していましたが、2020年に自前の堆肥製造場を建設しました。排出された焼酎粕に、米作りから出た籾殻(もみがら)を混ぜて堆肥を造り、全てを自社水田に還元し、好循環を生み出しています。

 

熊本の事例として2022年の『全国農業新聞』にも紹介されたんですよ。

 

―それは素晴らしいお取り組みですね……! 大変な作業かとは思いますが、ぜひ今後も取り組みを継続してほしいです。



『邪神ちゃんドロップキック』コラボの焼酎が発売|「ガラ」「チョク」も販売!

 

―今回のコラボ焼酎について、お声がけがあった時のご感想は?

 

実は『邪神ちゃんドロップキック』を知らなかったのですが、人気のある作品でコラボもいくつか行われていると分かり、面白い試みだと思いました。

 

―ありがとうございます。今回コラボした焼酎の中身の銘柄は『堕天使』とのことですが、名前は何に由来するのでしょうか?

 

はい、「天使」という言葉は昔からお酒と関連性が高いんですよ。たとえば「天使の分け前(Angel's share)」なんて言いますよね。(※ 注1)

※ 注1「天使の分け前」とは

ウイスキー・ブランデーなどの蒸留酒が樽で貯蔵・熟成されている間に自然と蒸発するが、その蒸発した分を「天使の分け前」と呼ぶ。

昔のウイスキー職人たちは、目減りしているウイスキーを見て「これはきっと天使がこっそり飲んでいるに違いない。天使に分け前を与えているからこそ、おいしいウイスキーができ上がる」と考えた……と言われている。



「天使も堕落するほど美味しい」という意味合いを込めて『堕天使』と名付けました。

―わー、なんだかロマンがありますね。名付け親はどなたですか?

 

実は、私(5代目)です。

 

―おぉ、ご本人とは……! 直接お話を聞けてなんだか嬉しいです。ぜひ、焼酎『堕天使』の特徴を教えてください。

 

はい。スッキリした味わいで飲み飽きることがなく、初心者でも飲みやすい銘柄です。実際に私どもの商品の中でも1番売れており「市場に最も受け入れられている商品」という実感があります。

 

また、蒸留酒なので糖質制限中などでも安心して飲めて、体に良いと思います。

 

―そうなんですね! 一般的に、醸造酒より蒸留酒の方が太りにくいとされていますよね。『堕天使』のオススメの飲み方はありますか?

 

そうですね……水割りは清酒(日本酒)のような味わいに近いので、日本酒がお好きな方にオススメです。また、寒い時期には温めて飲むと甘さが引き立ちますね。

 

かるこれ酒店でも「ガラ」と「チョク」(※ 注2)を発売予定とのことなので、是非それらを使って球磨焼酎らしく飲んでみてほしいです。

 

 

※ 注2「ガラ」と「チョク」とは

人吉球磨(ひとよしくま)地方だけで使用されている酒器のこと。
35度・40度という強い濃い酒を「ガラ」(フラスコの胴に長い注ぎ口を付けたような容器)に入れ、五徳にかけて温めて飲む。
お猪口の「チョク」は清酒用の杯より小さくて口が開いていないが、熱燗した強い焼酎の匂いが鼻にツンと来なくて具合が良かったとされている。



メッセージ|球磨焼酎や米焼酎の良さを伝えていきたい!

―では最後に、商品を手に取るお客様へひと言、メッセージをお願いします!

 

はい。『邪神ちゃんドロップキック』をはじめとしたアニメファンの方々に、今回のコラボをきっかけに米焼酎の存在を知ってもらえたら、何より嬉しいですね。

 

「焼酎」と言うとどうしても麦や芋のイメージが強いですが、ぜひ1度は米焼酎も飲んでみて、その味わいを知ってもらえると幸いです。

 

熊本の人吉球磨地方では、約500年前から本格焼酎造りが行われてきました。なかなか知られていないことですが、球磨焼酎は「スコッチウイスキー」「ボルドー」などと同様に、WHOで「地名」を冠することが認められている数少ない世界ブランドなんですよ。

 

日本を代表する焼酎として、もっともっと多くの人たちに広めていきたいですね。これからも、皆様に親しんでいただける焼酎造りを日々探求しようと考えております。



―ありがとうございます……!恒松さん、今日は貴重なお話をお聞きすることができ、感謝しております。

 

『邪神ちゃんドロップキック』のコラボ商品について、ぜひ多くの方にご興味を持っていただけると幸いです!

 

ライター:カルコレ通信編集部 sugamari

 

参考・引用URL

球磨の焼酎蔵、創業100年「株式会社恒松酒造本店」

天使の分け前とは何ですか? | お客様相談室

文化 | 球磨焼酎酒造組合

「エンジェルズシェア(天使の分け前)」とは何のこと?【ウイスキー用語集】

 

 

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